ポンビタール 200ml [統一ブランド系]
ポンビタール 200ml瓶です。
「パレード」や「ユーミー」、「ネクシー」等に代表される
統一ブランドのひとつで、ポンビタール会という団体が
各地の中小メーカーを取りまとめていたようです。
統一ブランドについては過去記事の「パレード」の頁をご覧ください。
https://me-young-sitter.blog.ss-blog.jp/2009-12-18-2
岡山県の倉敷鉱泉や毎日鉱泉、福岡県朝倉市の矢野飲料工業で製造されていましたが
最後まで製造していたのは矢野飲料工業のようで、
2010年代半ばまでは製造していたようです。
矢野飲料工業は近隣の高校にも卸していたようで
特に筑紫高校では学生のアイデンティティの一部を形成するほどの名物だったようです。
瓶の形状からもわかるように、70年代に人気のあった「プラッシー」を模したデザインで
中身も果汁10%のオレンジジュースでした。
ちなみに緑色のポンビタール瓶もあるようで、
今回ご紹介した透明瓶とともに
稀に尾道市の後藤鉱泉所などに流用されて見かけることがあります。
【ポンビタール 200ml 佐賀県唐津市にて入手】
スパッシー 200ml [統一ブランド系]
コアップドリンク 200ml [統一ブランド系]
コアップドリンク 200ml瓶です。
コアップドリンクは、主にガラナ飲料を提供していた
統一ブランド「コアップ」のブランドを冠しています。
「コアップガラナ」は現在でも北海道を中心に
全国で見かけることがありますが、果たしてコアップドリンクとは・・
いったいどのような飲料だったのでしょうか。
地サイダーでよく見られるような、
三ツ矢サイダーの瓶を流用して上から再印刷する手法を採っていますが
よくある340ml瓶ではなくあまり見かけない200ml瓶を用いている点、
ラベルを張り替えるのではなくきちんと再印刷している点が独特です。
三ツ矢サイダーの瓶に再印刷する手法は、九州地方を中心にいくつか例があります。
(パレードサイダー、メトロサイダー、シラウメサイダー等。過去記事で紹介済。)
【参照】コアップガラナ 200ml リターナブル瓶
https://me-young-sitter.blog.so-net.ne.jp/2018-05-03-2
【参照】三ツ矢サイダー 200ml
https://me-young-sitter.blog.so-net.ne.jp/2018-05-05
【コアップドリンク 200ml 佐賀県唐津市にて入手】
パレードサイダー 340ml [統一ブランド系]
パレードサイダー 340ml瓶です。
昭和30年代〜40年代、コカコーラやペプシコーラ等の外資の飲料メーカーの台頭に
危機感を覚えた中小メーカーは、取引のあった香料メーカーの後援を受けて
全国でこうした「統一ブランド」を立ち上げ
同じ名前の商品を様々なメーカーが作ることで「数」で対抗しようとしました。
パレードは1965年に服部香料の後援により誕生した統一ブランド飲料で、
(常盤香料の後援、という説もあります。)
統一ブランドの中では最もメジャーなブランドと言っても過言ではありません。
しかしその後の自販機の急速な普及により
全国に多数あった統一ブランドも平成に入る頃には多くが淘汰されました。
そんな中でも、このパレードはまだ複数のメーカーが生産を続けている
数少ない現役の統一ブランドです。
この「パレードサイダー」を生産していた
福岡県博多区の菊水飲料も、パレードを生産していたメーカーのひとつでしたが
現在は廃業しているようです。
パレードブランドはコーヒー牛乳やミルクセーキに多く用いられていましたが
サイダーの事例はあまり多くないですね。
しかも地サイダーに多く見られるような、三ツ矢サイダーの古瓶に
ロゴを再プリントしています。
このメーカーは、同様に三ツ矢サイダーの瓶を用いて
「菊水シトロン」という地サイダーも製造していたようですが
このパレードサイダーとどう使い分けていたのでしょうか。
また、福岡県には、菊水飲料を名乗るメーカーが
北九州や八女にも存在します。
それぞれ何か関係があるのか、あるいは偶然なのか、どちらでしょうか。
参照:パレード
https://me-young-sitter.blog.so-net.ne.jp/2009-12-18-2
【パレードサイダー 340ml 佐賀県唐津市にて入手】
コアップガラナ 230ml ワンウェイ瓶 [統一ブランド系]
コアップガラナ 200ml(リターナブル瓶) [統一ブランド系]
コアップガラナ 200ml(リターナブル瓶)です。
ガラナ飲料は、古くから南米を中心に
滋養強壮を目的として親しまれてきましたが
1960年代当時日本に広まりつつあった
コーラ飲料への対抗馬として日本に持ち込まれました。
その統一ブランド名称を「コアップガラナ」とし、
京都の舞妓さんのシルエットを模した茶色い瓶で
香料メーカー8社の支援を受けた上で、
全国の74社もの中小飲料水メーカーより1960年に発売されました。
しかし、大手資本が中心だったコーラの圧倒的な勢いには敵わず
やがてその規模を縮小していきました。
しかし、北海道だけはコーラ飲料の上陸が
他の地方と比較し遅かったこともあり
コアップガラナをはじめとしたガラナ飲料を飲む文化が
今でも根付いています。
現在、画像のようなリターナブル瓶での展開は
ガラナが親しまれている北海道でもすでになくなり
東京のホッピービバレッジ社のみとなりました。
画像は愛知県豊橋市のカゴメ食品製ですが、こちらは
2000年代に製造をやめてしまっています。
リターナブル瓶も時代によりその形状が異なります。
左が1967年製の瓶、右が現行のホッピービバレッジ社の瓶です。
そもそもの高さが異なりますね。
どちらも容量は200mlですが、
現在の瓶の方が薄くて丈夫な瓶が作れるようになったということでしょう。
裏面も、このようにデザインが大きく異なります。
【コアップガラナ 200ml リターナブル瓶 静岡県静岡市にて入手】
ビタヤポネC 220ml [統一ブランド系]
ビタヤポネC 220mlボトルです。
ビタヤポネCは、前回紹介した「ヤポネ」の姉妹品で
同じくヤポネドリンクボトラーズの製品です。
現在は広島県の後藤鉱泉所が生産を続けています。
(中身はオレンジ果汁飲料です。)
瓶の形状からもわかるように、武田の「プラッシー」の
影響を大きく受けた製品ですが、
この時代には多くのプラッシーの類似商品が出回りました。
見た目はほとんど同じであるにも関わらず、
このビタヤポネCは220mlの表記があり
なぜかプラッシーや他の類似商品よりも内容量が多いです。
「キューッと美味しい」というキャッチコピーが印刷されており
これは専用の木箱にも印刷されています。
参照:プラッシー
https://me-young-sitter.blog.so-net.ne.jp/2009-11-03-7
【ビタヤポネC 220ml 広島県尾道市にて入手】
ヤポネ 200ml [統一ブランド系]
ヤポネ 200mlボトルです。
ヤポネは、ヤポネドリンクボトラーズが生産している飲料です。
この「ヤポネドリンクボトラーズ」は、パレードやシーホープと同様の
統一ブランドを生産する零細メーカーの共同体のことですね。
本部がどこに存在していたのかは不明ですが
現在では尾道市の後藤鉱泉が最後の砦として生産を続けています。
「日本の代表」「全国統一商標」という勇ましい表記が
今となっては空しく感じられますが・・・
外資飲料メーカーに侵食されてたまるか!と、
当時の意気込みは相当なものだったのでしょう。
ロゴも日本列島の形ですね。
そもそも「ヤポネ」という単語自体、
ドイツ語やイタリア語では「日本」を表す単語のようです。
後藤鉱泉所では、主にミルクセーキとして販売されています。
甘くて懐かしい味のする、非常に美味しい飲料です。
【ヤポネ 200ml 広島県尾道市にて入手】